伝えたい言葉があったんじゃないかな

最近の出来事

看護師をしてて、忘れられない場面だった

 

人の最期、なんでこんなにひっかかるのか

経験も積み、それなりに自分で考え行動ができるようになった

救命にいるので最期の場面に立ち会うこともたくさんある

 

けれどどうしても心に残る

年齢も近かったせいかもしれない

もうすぐ自分が結婚するからかもしれない

 

愛する人に他界され、病におかされ、痛みがあるにもかかわらず、ずっと受診せず頑張っていた彼女

食べれず寝たきりになって、親と一緒にくらしてた彼女

 

意識も混濁して、救急にきた彼女

 

一時的に処置をして意識は話せるくらいに改善した

 

「治療はしたくない。ごめんなさい」

 

最初に話したことば、息も絶え絶え言った言葉

 

救命にいると、生きる力を信じ治療する

頑張って今からある人生をもう1度頑張って欲しいって思いながら関わる

 

彼女は決めていた。病院にはいかないって

 

治療の施しようがない状態できた彼女

 

残された時間は両親と暮らすことも

 

だから一時的に話せる状態になった時最初に私に伝えたんだろう

 

医師から両親へ説明され、痛くないように、今までように自然の流れに任せたい、という希望に沿うように関わることになった

 

痛みを感じないようには私たちにできること

あとは家族との時間をつくることができるようにすること

 

それが私にできること

 

両親へ話が出きるのはおそらく、これからの数時間、あとはここのきたときと同じように話ができない状態になる、ということを伝えた

 

しばらくそばにいて写真をとったりしていたけど

 

受け止められない両親

1回だけ外にいって、気持ちを整理したい

 

話が出来るのはいまだけ

念をおす

 

それでもこのままじゃ無理と言われた

 

部屋に一人の彼女

どうして病院いかなかったの、聞いた

聞くべきではないけれど、彼女の望んでいること知りたかった

 

怖かった

旦那もいない

でも旦那に会いたかった

心配させたくない

 

一つ一つゆっくりという言葉

ほとんど音になってなかったけど確かに言った

 

救急の現場は様々な人が搬送されてくる

 

私はその場をはなれざるおえなかった

 

頻回に声をかけ、状態観察した

意識が混濁してきた

口をうごかていた

 

生命の反応かもしれないし

 

なにか言いたいのかもしれない

 

両親へすぐに戻ってきてほしい、と電話した

そのときに血圧も脈拍も下がり始めた

 

両親がもどってくるまでは

生きて

治療しないっていってたけど

これがあなたの選んだことなの?

さっき口動かしてたことはなに?

 

もう1度家族にあってほしい

私はそう思いながら必死に声をかけていた

 

けど、両親が入室したとき、そのまま心静止

心臓はとまった

 

母がいう

「無理矢理にも病院いかせたら違ってたかも。

なんで早く言ってくれなかったの」

 

「ずっと代わってあげたかった」

 

「ごめんね」

 

そのとき脈拍がでた、生きている脈ではないけど

モニターに数値がでた

 

私たちに医療者はその脈を波形が出ても脈拍としては無意味ないことを知ってる

 

けれど、少しでも心臓が動いていると思った家族に対して、心臓が完全に止まるまで、家族との時間を作ろうと思った

 

涙を流しながら声をかける両親

 

さっき口を動かしてたのは何か言いたかったんじゃないかな

 

私がもう少し早く両親を連れてきていたら

 

あの時無理矢理にも両親を引き止めていたら

 

伝えたいことあったんじゃないかな

 

すごく思った

 

私はあなたの生きたいように関われたかな

あなたの人生の最期

私はなにかできたかな

 

きっといろんな思いを持ちながら生きてきた

彼女

 

私はなにができたのだろう

 

人生に関わらせていただくことの重み

 

考える

 

もう生きることは頑張らなくていいよ

旦那さんにも会えたかな

 

最期にあわせてくれてありがとう